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2006春号

スローライフスケッチ

「花炭」のマイナスイオンがほっとする“時”をつくる

元素周期表によると、炭素【carbon】は原子番号6、元素名が単体を意味しない唯一の元素であるとされている。また、すべての有機物生命活動と関係があり、有機化学の根本でもある。

古くから炭は、除湿や加湿効果があり、お寺や神社などでは炭を建物の下に埋めるといった炭埋ということが行なわれていた。今でいうと、ご飯を炊くときや飲み水に炭をいれたり、電磁波の影響を軽減したりと、炭の効用は限りない。有機農業や家庭のお風呂に使われる炭の蒸留水、木酢液も重宝されている。そして道南は森町の炭小屋に代表されるように、炭文化がしっかり根付いたところだ。また、ストレス社会にあって、炭から発するマイナスイオンはまさに自然回帰、スローライフを代表するキーワードだ。

さてさて、前置きが長くなったが、そんな炭を利用して「飾り炭」を作った人がいる。
七飯町で15年前から陶芸に取組んでいる松田照美さんだ。
飾り炭は花炭(はなすみ・はなずみ)と呼ばれており、五百年来の歴史がある。菊炭と共に、植物の根や実を炭化し、茶道の道具炭や飾り炭として珍重されていたと言われている。
松田さんは、七飯町内の大沼湖畔や赤松街道などで拾った松ぼっくりや木の実などのごく身の回りの素材を窯で焼いて「花炭」にする。普通であれば、そのまま朽ちてしまうはずの自然の素材に、新しい命を吹き込む松田さん。果物や野菜、花も、「花炭」に見事に再生される。

焼き方は素材によって異なるので、試行錯誤の連続だ。今まで200種類以上の植物で、いかに崩れないようにするか研究を重ねてきた。何気なく拾った木の実が、思い出を凝縮して、花炭に変わる。まさに自然の芸術だ。「発想を変えることによってできた花炭。まさにコロンブスの卵ですよ。」と松田さん。でも、造り方は企業秘密だ。

まちづくりや、人権擁護など日々、社会活動に奔走する松田さん。スローライフとはほど遠いような忙しい毎日でありながら、陶芸の時間に集中する。
時には、近所の人とバーベキューをしながら、アルミ箔に木の実を包んで花炭を作ってしまう。火が出たらまたアルミ箔を閉じればいい。そんな人間のリズムで作品に向かう松田さんの今のモットーは「がんばらない」だ。
忙中閑ありの如く、時間は自分でつくるもの。花炭のマイナスイオンが松田さんのちょっとしたリラックスの時間になるのかもしれない。この自然体が、花炭の中に込められているのだろう。

松田照美
「アトリエうふふワーク」代表
問合せ ミュートネット 0138-66-2200
http://ufufu.mutenet.jp/

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