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ボランティア=お金が全てではない=スローライフ、そこに流れる心は同じ。そんな人々を紹介したい。
「異国の生活色と、今に描くスローな日々」
~工藤隆二さん~
2年に及ぶ青年海外協力隊の任務を終え、中米ベリーズから昨年帰国。
今年4月から手作りオーダーメイド家具などの店舗を森町でオープンの予定。
笑いの種としてよく彼が語ってくれる話がある。大学院在籍中に友人を頼りに訪れた中国。空港で現地人に間違われ、気付けば入国審査無しで香港に降り立っていたという。失礼は承知だが、日本人に見えなかったとしても無理もないかもしれない。中米で2年間暮らしたと聞けば大いに頷けるその風貌。冬でも天然の日焼けに個性的でキュートな髪型が良く似合う。のんびり、おおらかで、やさしい。しかし、スローライフが自然と切り離せないものであるのと同じように、きっとそこには厳しさも同居しているはずだ。

そもそも、海外への興味の原点は、かの中国旅行にあったという。高層ビル建設ラッシュの上海。一方で、ふと目を移せば今にも倒壊しそうな家屋があり、
子どもに物乞いをさせる親がいる。初海外、初一人旅で若者が受けたカルチャーショックだ。青年海外協力隊の派遣先として向った中米のベリーズも、決して裕福で治安がいい国だとは言えない。彼の仕事場である小学校はダウンタウンにあり、アッパーサイドとはまるで違う雰囲気で、貧富の差が如実に解かるという。授業中に昼の街中でガンシューティングが始まったこともあるそうだ。現在は治安悪化のため、彼の後任として美術教師を務める隊員は派遣されておらず、子どもたちのことが気にかかると彼は言う。
ベリーズで彼が得た多くの経験の中で、今実際に活かされているもののひとつが現地の手工芸品だ。
マホガニーと言えば「高級家具」というイメージが真っ先に浮かぶが、ベリーズでは皿やスプーンなどの日用品を創る素材にされているという。ホールなどに展
示される美術作品とはまた違う、「自分が作ったものが誰かに使われ、役に立ち、喜ばれる」という事実にやりがいを感じた。アフリカからの移民も多いベリーズで、現地の人に教わり作ったアフリカ太鼓もそのひとつだ。もちろん材料費はゼロ、そこらの木から作るのだ。今では拙く見
えるその初めての作品、アフリカ太鼓は、今も大事に保管してあるそうだ。
そして今。4月から森町でオーダーメイドの家具などの店舗を本格的に始める。北海道ではエゾシカが増えて困っていると聞けば、その角を拾いに行きアクセ
サリーを作る。台風の倒木だって十分な素材だ。彼の目から見れば、どこにだって素材はある。北海道は自然の宝庫だ。いくらでも活かす道はある。
彼の現在は、スローライフをするために歩み辿り着いた道ではないように思える。本能と手探りで自分の道を歩いてきた、その自然のままがスローライフに成
り得ている。そんな気がした。
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