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| 映画は不思議な生き物である。その生き物は、其々の胸
の中に其々の姿で、いつも静かに潜んでいる。そっと穏や
かに僕等の中に住んでいて、僕等を包んでくれている。こ
っちの気持ちの動き次第で、柔らかく微笑んだり、時には
少し暴れたりする。癒されたり励まされたりもする。そん
な生き物が僕の中にも一杯いる。その中で一番安定した情
緒のまま住み着いていると思われる映画がある。「リバー
・ランズ・スルー・イット」だ。 ついこの前のような気がするが、1992年だからもう15 年も住み着いてるんだね。もちろん大画面でみた。確か巴 座だった。巨大スクリーンに映し出される、緑に包まれて 煌めく渓流に光る釣り糸、水と魚の躍動感。本物の自然を 映画的に焼き付けた映像が死ぬほど美しい。 お話は、1910年代、モンタナ州の小さな町が舞台。性格 の違う兄弟の青春と渓流釣りで結ばれた親子・兄弟の絆が 詩情豊かに、かつリアルに描かれていく。「神が許した、 唯一の漁法だ」と、牧師で厳格な父親にフライ・フィッシ ングを教わった兄弟。真面目で繊細な兄、陽気で激情的な 弟。二人は其々の道を歩むが、何かある度に渓流へ行く。 クライマックス、弟が大物を釣り上げるシーンが圧巻(偉 大なるロケ撮影)。その時、兄は弟の姿に自然との美しい 調和を見るのだ。弟役のブラピの初々しい笑顔も心に住み 着く。個性的な登場人物の描写や言葉も抜群。この映画を 観てフライ釣りにはまった人も多いらしい。貴方もはまっ て、映画な生き物と同居して人生かみ締めちゃってミテネ! (文/カフェやまじょう 太田誠一) |
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