スローライフスケッチ ~生活をゆっくり楽しみたい~
加藤伸二さん(かとうしんじ) 51歳
加藤ゆり子さん(かとうゆりこ) 52歳
<PROFILE>
駒ケ岳山麓に、夫婦2人で自宅や店を建てて、ゆっくりと楽しみながら暮らす。器・小物・茶房の店「のどか」では、15人の作家の作品がならび、温かみのある雰囲気の中、お茶を飲む事もできる。
「こんな所に、こんないいお店があったんだね」窓からは、四季折々姿を変える駒ケ岳がすそ野まで見える。時間の流れがゆっくりで、つい長居してしまう店が駒ケ岳山麓にある。
「結婚して29年、子供はそれなりの年になったが、2人の生活感はあまり変わらない。昔からグラフ用紙を片手に持ち自分で家を建て、食べる分の無農薬の野菜を作りたい」と話していたと当時を振り返る加藤夫妻。14年前、子供が手を離れたのを期に、「今度は自分達の番」とばかりにまだ開拓されていない雑木林の土地を購入し、家作りをコツコツスタート。「自分達のペースで建てたい」と基礎と屋根を業者に頼んだ他は、ほとんど2人で自宅を建てた。会社員勤めをしながら、休日を作業にあて、6年がかりで完成。畑、木工は伸二さんの役割だ。一方ゆり子さんは、「昔から大好きな器と小物に囲まれた小さなお店がしたい」と思った。
途中、札幌に転勤になったが、ゆり子さんはこれも幸いと、陶芸や籐工芸などの教室に通い、気にいった作家のもとへ通った。「走り回って、素敵な人との出会いが膨らんだ3年半」と2人は笑う。札幌勤務を終え、戻るとすぐに、今度は店の着工にかかった。
ゆり子さんの好きなイメージに合わせて伸二さんが図面を書き、2人で建てた。黒い天然素材のハンドメイドハウスだ。
今年3月、長年勤めた会社を早期退職した伸二さん。驚く人も多かったが、2人で決めたこと。「お金は大切。でもこの年齢だから、今の時間がお金より大事。
贅沢な生き方」としみじみと語る。現在、ピザ釜や焼台、釜戸を作成中だ。「生活をゆっくり楽しみたい。遊びたい。どうにかなるかな、なるでしょ。のお気楽夫婦です」と2人は笑う。遊び心が詰まったこの場所には、自然と人が集まる。加藤夫妻の思いが形になった場所だ。(文/田村悦江)

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