ボラットさんみーつけた!
「函病のアスリート」
河瀬亨哉(かわせこうすけ)
1976年 青森県弘前市生まれ、函館育ち
1998年 市立函館病院高等看護学院卒業後、
同病院循環器内科病棟に勤務
2000年 市立函館病院救命救急センター勤務
2007年 函館ハーフマラソンメディカルサポートチーム結成。
DIGネットワーク函館代表。防災士の資格をもつ。2児の父。
自宅から職場までおよそ4キロ。走って15分で職場に到着。「冬場、車の流れが悪いときは車よりも早いですよ」と話すのは、市立函館病院の救命救急センターに勤める看護師、河瀬亨哉さん。
救命救急センターには24時間365日体制で医師と看護師が配置され、河瀬さんのいる救急外来は、一般診療時間外にくる患者のほか、救急車で運ばれてくる患者を受け入れている。火傷による重症患者、心肺停止状態の患者、いつどんな患者がきても冷静に対応できるよう、緊張状態のなか頭のイメージトレーニングは欠かせない。
「常に動いていなければダメなんです」
小学3年から高校生まで野球少年だった河瀬さん。有斗高校ではピッチャーで、プロも目指していた。でも、2年のとき、肩をこわして野球ができなくなった。これからの自分に何ができるか悩んでいたとき、心を動かしたのは、
看護の仕事をしていた母と看護学校に通っていた姉の存在だった。「命を救う仕事がしたい」。そう心に決め、再び目標に向かって走り出した。
10年前、河瀬さんが函館病院に勤務したとき、男性の看護師は少なく、内科では初めてだった。男性にしかできないこともある。3年目には救命救急センターに配属になり、その後、訓練を積んだ医師や看護師などで構成される災害時医療派遣チーム(日本DMAT)のメンバーとなったのを機に防災について学ぶ。2006年には市民の防災意識向上を目指し主婦や消防、教員らと市民団体DIGネットワーク函館(※)を設立し代表に就任。院内にとどまらず、外へ向けても市民を対象に防災についての勉強会も開いている。
自分のやりたいことを広げていったら、自然とそれが「ボランティア」といわれるようになったという。
去年、函館ハーフマラソンで、赤いゼッケンをして走る人たちを見かけただろうか。河瀬さんが中心となって、「メディカルサポートチーム」を結成した。市立函館病院の医師や看護師、検査技師、事務職員などがメディカルランナーとなってコースを走り、市民ランナーに万が一の事態が起こった場合、医療本部に連絡し応急処置をするなどの対応をする。これまで一定のポイントに「点」としてでしか配置されていなかった医療サポーターが、コースにでることで「線」で結ばれ、より密なサポートができる。
「思いついたときは、あっという間に企画書ができました」 熱い想いを落ち着いて話すのは、冷静さを要求される看護師だからなのか。でも、丁寧に答える語り口調の内に、情熱がある。
「できることは限られてくる。限界が先に見える。でも、まだできるんじゃないかと頑張ることに快感を覚えるんです。おかしいですか?」函病のアスリートは、今日も、夜勤にもかかわらず、走って通勤している。 (文/川島美佳)
一口メモ ★DIG★
Disaster(災害) Imagination(想像)
Game(ゲーム)の略。自分たちが暮らしている地域で災害が発生したことを図上で想定し、対応策を考える訓練。※DIGネットワーク函館:地域の安心・安全をみんなで考える市民団体。

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