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2008年秋号

ボラットさんみーつけた

芸術と福祉の祭典をめざして

函館芸術会議 議長
木村 公一(きむらただかず)

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PROFILE
木村公一 (きむらただか) 

1966年 函館生まれ。函館西高を卒業後、東京写真専門学校へ
1995年 スタジオ助手・写真助手を経てフリーの写真家に

1999年 関節リウマチが悪化し帰函。第一農材㈱に勤務しながら、毎月、 喫茶店ライブを主催

2008年 館芸術会議HAMを発足

  「キング・ビスケット・タイム!」
木村さんの一声を合図に、演奏がはじまる。港町の喫茶店で毎月、ミニライブが開かれている。出演者の中には、障がい者もいる。それを思わせない、いや、むしろそうだからこそ、心の奥底に届く 歌詞がつくれるのかもしれない、と木村さんはいう。
このライブは、木村さんが抱く大きな目標に向かっての活動の1つ。目指すのは、2015年までに、芸術と福祉の祭典「函館ビエンナーレ」を開催すること。障がい者と健常者が隔てをなくして参加できるライブや写真展、演劇をとおして、社会復帰や創作活動ができるようサポートするのが目的だ。
木村さん自身、慢性関節リウマチという病気(4級障害)を抱えている。27歳のときに発症してから手の指の関節が変形し、手指を開ききることもしっかりと握ることもできない状態になった。その頃、木村さんは写真家を志して東京の専門学校にすすみ、その後写真家の助手をしながら腕を磨いていた。悪化したのは、ようやくフリーの写真家としてひとり立ちを始めたときだった。叶いかけた夢を断念して函館に帰ってきた。
ふるさと函館では、食品の総合商社である実家の会社に勤務。広告写真の腕を活かして野菜のインターネット販売サイトを立ち上げるなど新たな道を歩き始めたが、心のどこかで、やりたいことをあきらめた疼きがあった。
そんなとき、西高の同期生から声がかかり港町の喫茶店のライブに誘われた。木村さん自身が歌う機会もあり、いつの間にか主催する立場になった。音楽好きの仲間が集まり、中でも、自分より重い障がいを抱えているNAMIの存在は大きかった。NAMIは交通事故で脳に障がいが残り、ほぼ半身不随の状態となったが、苛酷なリハビリに耐えてきた青年だった。同時に、障がいのために料理人の道をあきらめて函館に戻ってきたという、木村さんと重なる過去をもっていた。それでも大好きな歌をうたい、ハーモニカを吹き、詩をつくるNAMIの姿に心を打たれ、木村さんの疼きが、行動にかわった。
botatto_san2.jpg 今年6月、NAMIをはじめ、木村さんの考えに賛同する6人があつまって、函館芸術会議HAM(Hakodate Art Meeting)を結成した。「函館ビエンナーレ」開催に向けて話し合いを進めている。短期目標はHAMのNPO法人化、クリスマスイベントの開催、CDアルバムの制作補助など、障がいがあるなしに関わらず、夢のある人に場を提供しサポートする。
HAMの仲間の誘いで木村さんが挑戦するのが、演劇の舞台。しかも、来年の公演で主役クラスの重要な役を任されることになった。気がつけば、写真、音楽、演劇・・・芸術という大きな柱のもとに人が集まり、そこは活気と感動であふれていた。
「障がい者でもやりたいことがある。そして、ほんの少しの手助けがあれば、すばらしい才能を発揮することもあるんです。そしてその姿を発信することが大切なんです。」木村さん自身が障がい者であり、サポーターであるからこその言葉。一度断念した夢がまた、新しい形で目の前に姿を現した。  (文/川島美佳)

一口メモ
★キング・ビスケット・タイム★
珈琲喫茶バールbar デルdel クロエCLOE(函館市港町1丁目11-24)で毎月開催されているバリアフリーライブ。アマチュアのアーティストが月代わりでジャズやブルース、ポップスなどを歌う。今年10月に、開催4周年記念を迎える。これを機に『Di Sera in bar del CLOE』と名称を変更する。
ライブの日程などはhttp://cloe.cc/出演者募集中。

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