「ガープの世界」
1982年 アメリカ
原作 ジョン・アーヴィング
制作・監督 ジョージ・ロイ・ヒル
出演 ロビン・ウィリアムス、グレン・クローズ、ジョン
リスゴー、メアリー・ベス・ハート
80年代は面白かった。色んなことをやり、多くのステキな人に出会い、学んだ。今の明治館の黎明期に僕等の溜まり場だったシャノアールというカフェバーで作家の中山あい子さんとお会いした。当時、テレビにも出ていて独特の毒舌がチャーミン
グで人気があった。女優・中山マリの母親で
もある彼女は60才位で白髪で貫禄があったが、人間的な可愛らしさも感じられた。村上春樹をハルキちゃんと呼び、評価していた。ビールが進み、話はジョン・アーヴィングへと傾れこんだ。現代アメリカ文学の代表選手で、物語性の復権を目指した波乱万丈の展開の小説を書く大作家である。「やっぱ、ガープの世界は面白いよねー」と盛り上がり、ビールはもっと進んだ。必然的にこの映画の話題に転じ「スティング」「明日に向って撃て!」のG・R・ヒル監督が撮ってヨカッタね、と笑ったりした。奥深い人間洞察とシニカルな視点、ユーモアが見事に調理されている。
シンプルに言うと・・・第二次世界大戦の最中、母親の一方的な性行為によって生を受けた主人公ガープはレスリングに夢中になり、恋に悩み、肉欲に溺れつつ成長していく。そのユニークな生き様を、時にはコミカルに、時には哀しげに描写している。役者陣の演技も痛快で映画的リアリティが満載だ。特にG・クローズとJ・リスゴーの存在感が狂おしい程はまっていて、たまらない。こんな破天荒な物語を素直に面白がれるか、又は生理的に気持ち悪くなっちまうか・・・あなたならドッチ?・・・みたいな踏絵的ムービーでありんす。ちなみに、私にとってこの映画は、なぜか中山あい子を思い出すスペシャルな傑作だと叫びマス。
(文/カフェやまじょう 太田誠一)

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