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2009年冬号

エイガなハナシ #12

映画の祭りの後に雪が舞う

今、3日間のイルミナシオン映画祭が終わった。帰ると店の中は冷え切っていて、果てしない静寂が漂っている。連日の喧騒と緊張からドカンと解き放された安堵感。窓の外は突然の雪景色。若々しい白雪が嬉しそうに踊っている。僕の体はクタクタだ。でも心根は穏やかに火照っていて、奇妙に心地良い。頭の中を多くの顔や声や映像や音がフラッシュバックする。またヒトツ、明日の為に過去を創ったんだな、と想う。ゆったりと深く呼吸して、しみじみとヒトリ、純米酒を熱燗でグビりと味わった。
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1995年3月、3人で始めた映画祭も早15年。3作品で動員365人、ささやかな船出だった。今回は新旧23作品。シナリオ大賞も13回を数え10本が映画になった。多くの映画や映画人に出会い、学んだ。今回も僕は街センの特設会場で映写係をやった。ここは69年位まで丸井デパートだった場所。僕らの最高の遊び場であり、生活と文化の本丸だった。大昔には映画館もあった。そこに映画館を作り13作品上映した。親子映画で久々に16ミリ映写機を回した。カタカタいう作動音は映画の夢の歴史を体言化してるようで嬉しくなった。チョイト忘れてしまっていた大事な事を思い出した様な感じだった。映写機は一台しか使えなかった。思いついてダメな方をスクリーンの横に飾り、子供たちに映写機やフィルムの説明をした。24駒で一秒動いてて・・・などの話に親の方も目を輝かせてくれた。仕組みの解る道具は安心感があり、直せる。デジタルは僕には直せない。映像の神様で生き字引のかわなか先生がイイネーと褒めてくれた。過去の時間が今を支え、励ましてくれる。色々な想いを蘇生させた15回目だった。
やっと雪が舞い、また新しい冬が始まったのだ。 (文/カフェやまじょう 太田誠一)

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