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函館の冬ははこだて冬フェスティバルやはこだてクリスマスファンタジー、函館港イルミナシオン映画祭…とイベントがめじろ押し。年明けも市民歌舞伎など多くの催しがあり、移り住んだ当初は驚いた。
十勝・帯広の冬は「雪」より「氷」のイメージが強い。道内でも特に寒さの厳しいこの土地ならではの冬のイベントといえば「おびひろ氷まつり」がある。
会場には大雪像や氷雪像、雪の迷路などが用意され、アイスキャンドルや花火が雰囲気を盛り上げる。張り詰めた寒さの中で食べる豚汁も格別だ。特に通路にずらりと並ぶ氷の彫刻は、日中は日差しに照らされまぶしく輝き、夜はライトアップされて美しい。イベント名に付けるだけあって、幻想的な氷の芸術品は見物だ。
子どものころよく出掛けたが、忘れられない思い出もある。小学校高学年の時、催しの一環でスノーモービルの試乗体験コーナーがあった。お兄さんが運転し、子どもは前の席に座ってスピード感を楽しむ、というものだ。スポーツは苦手なくせに好奇心旺盛な私は、小さい子どもたちの中に混じって勇んで並んだ。自分の番が来たら、体が大きいという理由で私だけお兄さんの後ろに座り、両手を背中に回してつかまるスタイルを取ることになった。おいおい大丈夫かよ…と内心漠然とした不安を抱きつつ私は乗った。ブーン、と威勢良い音を出してモービルはスタート。すごい勢いで雪のコースを走った。速い速い。ぐんぐん加速し中間地点に来たころ、私は勢いについていけずに手を離してしまった。はっと気付くと雪の中。何が起きたのか一瞬分からなかった。幸いけがはなかったが、自分にとことん運動神経がないことを痛感した。
そんな苦い思い出に比べ、函館の冬はなんてロマンチックなんだろう。赤レンガ倉庫群周辺に瞬くイルミネーションを見詰めて、今年もうっとりと感傷に浸りたい。 (文/新目七恵)
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