« 熱中ヤング~熱く燃える☆若者たちのページ | メイン | どうなんあれこれ »

2010年春号

編集長コーナー Column

古木と戯れる。

ヒノキは、日本では建材として最高品質のものとされている。 正しく使われたヒノキの建築では1000年を超える寿命を保つものがあるらしい。 子供の頃、夏になると訪れていた茂辺地の親戚の家。 海岸道路を海を眺めながら走り、辿り着いた家は広くて古くて優しいにおいが した。築100年近いその家が取り壊されると聞いて、トラックを借りて走った。 子供の頃、遠い遠い場所だったその家まではあっという間だった。 自分にとっての夏の思い出、ばあちゃんが子供の頃過ごした家、長き年月を 見つめ、そこで過ごした人々の生活をひたすら支えてきた柱や梁たち。 彼らはもう十二分に役目を終えたのだと思う。100年支えてきたのである。 そして取り壊しの日、僕はそこに立会い、木々の気持ちも考えず業者の方に頼み 取り避けてもらった。残って積まれた木々は、堅く、重く、何も語らなかった。 見つめる木々の向こうから波の音だけが聞こえてる。 そこからはじまった古木との日々。そして僕は、彼らの新たな住まいを見つけた。 運び、洗浄し、磨き、削る。何度も何度も触れる。長い年月を刻み込んだ木肌は それだけで美しく、柔らかく、温かい。深い深いぬくもりがそこにはある。 もう役目を果たし疲れきっているのかもしれない。そんな彼らに再びがんばれと 役目をみつけ、はめ込んでしまう。計算された尽くした知恵の詰まった釘など も使っていない古家の一部だった彼ら。その知恵には遠く及ばなくても、精一杯 向き合い、一番自然な形を考える。でもやはり、無理な力も加えてしまう。 古きものが持つ良さ。若きものが挑む懸命さ。 ヒノキのかおりを嗅ぎながら、正しい事ってなんだろう?とか、自然なかたち ってなんだろうって考えて過ごす日々。 古木たちは何も語らず、多くを語ってくれているのかもしれない。 彼らと過ごすこれからの年月。それをまた刻み込んでゆけ。
(文/92)

◇旅の手帖◇
~旅好き編集長の旅のスケッチ~
復元されたトロイの木馬。
子供の頃に聞いたトロイ戦争の
物語を信じて遺跡を発掘した
シュリーマン。
発掘した財宝を 国に持ち
帰ったため非難も。
人生をかけて信じるのはすごい。
  toroi.jpg

ボラット編集日記

ボラットスタッフの、なにやら楽しげな編集日記。見てね!

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.hif.or.jp/mt/mt-tb.cgi/814

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)