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2010年夏号

ボラット的 今昔モノがたり

imamukashi_R.jpg 今も昔も変わらずに、ずうっとそこにあるモノ。
人から人へ手から手へ、ずうっと伝えられるモノ。
想いがつながるモノがたり。


  

hinodeyu95_R.jpg ぽちゃん、と天井から落ちる雫の音。心地よい音が浴室内に響く。
大正12年頃から続く湯の川温泉の銭湯「日乃出湯」。湯花がびっしりと張り付いた迫力のある浴槽は当時から変わらない。本当の浴槽の幅がわからなくなるほど。浴槽も床も、まるで芸術作品のように見事な波模様。張られたお湯の表面を良く見ると、白い成分が浮かび膜を張る。源泉そのままだからこそ起こる現象だ。これが、長い長い時をかけて「芸術」を創り出す成分。「湯花は通称『ガリ』。ガリは取っても取ってもすぐについちゃうからきりがない。」と笑って話してくれるのは店主の岡崎さん。銭湯の経営は「ガリとの戦い」。それほど、温泉の管理は難しく、時間も手間も費用もかかる。それでも、毎日来る地元の常連さんのため、そして遠くから湯の川温泉を訪れてくれた人のために、お湯を守る。 源泉は約65度。源泉掛け流しのお湯は、入れたて時で50度以上。それを風を入れて冷ましていく。それでも温度はだいたい45度。初心者には、なかなか入れない温度だ。ここならではの「ルール」、昔ながらの入り方がある。それを手ほどきしてくれるのは長年ここのお湯に浸かってきた常連さん達。「ここは本物の温泉。このお湯の良さを知ったら、もう他所には入れないよ。」と揃って言う。古い人は50年くらい通っているとか。「男風呂の方がいつも賑やかで笑い声が絶えないかな。」ここで出会い、言葉を交わし、笑いが生まれる。
そんな人と人のつながりも銭湯の良さ。日乃出湯のお湯を愛する人々の想いが、大切なお湯を守り続ける。長い間、人々を迎えてきた頑張り屋の浴槽と共に。
(文/さとうあやこ)

日乃出湯 函館市湯川町3-2-17 ℡ 0138-57-8692 月曜定休(祝日の場合翌日)

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ボラット編集日記

ボラットスタッフの、なにやら楽しげな編集日記。見てね!

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