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2010年夏号

エイガなハナシ#14

sundays_and_cybele_R.jpg 祝「シベールの日曜日」 HDニューマスター版、発売!
'62・仏  原作 V・エシャスリオー  監督・脚本 S・ブールギニョン
撮影 アンリ・ドカエ 出演 パトリシア・ゴッジ、ハーディ・クリューガー

  俺が生きてるうちに教えたい古い本物の名作は?または、死ぬ直前に味わいたい最後の一本は?何だろう。もしかしたらコレ、かもだ。新宿をうろついていたガキの頃、深夜の小屋で毎晩のように朝まで映画を観て睡眠したりしてた。夢をみるように映画の別世界に浸ってたんだ。大都会の場末の一帯はいつも何か雫が垂れていて、妖しい匂いが心を包んでくれていた感じだった。そんな、ある深い夜にこの作品にバッタリ出合った。光と影が輝くような白黒の色彩感に魅了され、泣いた。
  パイロットの青年が戦争体験の痛手で記憶喪失になり田舎町で看護婦の女性と暮らしている。彼の毎日はあてもなく森を彷徨うことしかない。ひとりの少女が現れる。父に見捨てられた少女と青年は、日曜毎に池の畔で無邪気に時を過ごす。だが、彼を変質者とみる大人達が二人を引き裂こうとして…。ラストが切ない、悲しい、胸が軋んだ。物語性も奥深いけれど何と言ってもドカエの瑞々しい白黒映像がたまらない。リリシズムとはこういう事だ。少女シベールを演じる為に生まれて来たようなパトリシアは今どうしてるのかなぁ。当時13才だから60才位だね。M・ジャールの抑えた音楽も効いている。とにかく我が映画愛人生の原点のヒトツだ。間違いナイ!これが6月末に、ついにDVD化される。紀伊国屋書店から出るってのも感慨深い。絶対買うぞ!貸しますぞ。
  うっかり忘れてた自分の原点や原風景を蘇生させたいと思う今日この頃であります。お元気ですか?
(文/カフェやまじょう 太田誠一)

ボラット編集日記

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